ポノフットボールクラブでは、「楽しむこと」をすべての出発点としています。
なぜなら、心から楽しむことでこそ、子どもたちの中に“自ら動き出す力”——すなわち「自発の心」が芽生えるからです。
この「自発の心」を育むには、決して急がず、じっくりと時間をかけることが必要です。
指導者が教え込むのではなく、子ども自身が気づき、考え、行動する過程を大切にしているからこそ、時間をかけた先にこそ、本当の成長があると信じています。
活動開始から3カ月弱。
その“芽”が、少しずつ見えはじめました。
ある4年生の選手が、声を出さずにプレーしている仲間に対して、責めるのではなく、「もっとこうしてほしい」と自分の言葉で要求を伝えるようになったのです。
これは、ポノが目指す“他者を思いやりながらも、自分の意志を持って行動する選手”に、一歩近づいた瞬間でした。
「楽しい」と「勝つ」は両立できるか?
そして、サッカーというスポーツは、また不思議で魅力的なものです。
ピッチの上では「楽しむ」だけではなく、「勝つこと」が最大の目的となる。
この一見矛盾した二面性こそが、サッカーという競技の奥深さであり、一つひとつのプレーや試合にドラマが生まれる理由です。
現実として、「勝たなければ評価されない」。
勝てなければ、子どもたちも集まらない。
そんなことは何十年も前から分かっていることです。
しかし、ポノフットボールクラブは、あえてこの“矛盾”に挑みます。
「楽しむこと」と「勝つこと」、その両方を追い求めて、子どもたちが心からサッカーを好きになりながらも、結果にもこだわり抜ける——そんな“欲張り”なクラブでありたいと思っています。
子どもたちにとって、サッカーが人生の糧となるように。
そして、ここでの経験が、未来に続く力となるように。
私たちはこれからも、想いと哲学を持って歩んでいきます。